スタート地点

  

EVA(船外活動)はこの日も朝から話し合い、準備が始まる。作業の内容はエリア毎の無線感度(明瞭に聞こえるか)チェック。それからドローンの飛行テスト。EVAの始まる時間はいつも1400頃。初めは全体のミーティングのある1300頃から話し合っていた。その頃とは違うことは船外活動をする側、外からサポートする側全てを経験したということだ。事前準備ではクルー間のイメージの共有ということが大切になってくる。今回の場合であれば、ドローンの写真を撮ることが最優先事項。それから作業順序を決定。無線感度チェックをするエリアを決めるなど、抜かりの無いようにチェック。SHIPCOM(宇宙船管制)は実際に作業をするクルーが今どこで何をしているのか。見えなくてもずっと把握し、サポートをする。クルーもクルーで今自分の置かれている状況を常に冷静に見る。8回目のEVA。クルー全員が同じシミュレーションを頭の中に描けていた。

 

 

  

これまで徐々にレベルが上がるEVA。やっとスタートに立てたところ。このスタート位置を基準としていく訳であるが、イメージの共有が毎回できるとは限らない。しかし、今回できたこと。これは何よりも自信につながることだろう。

 

宇宙の中の電気の話

 

 

宇宙の中の暮らしは最低限のものしかない。しかし、生活を支えるものとして一番に大事といえるものは電気である。電気が通らなければ、地球との交信もできない。真っ暗闇。気温の調節もできない。宇宙含め、極地で必要なことは特定のもの、人に依存をしないこと。依存をすれば、機械トラブルに気づけないなどのハプニングに繋がるからだ。ただ、人を隔離して守るという施設の上では、人は電気に依存をせざるを得ない部分がある。宇宙服やレスキューボールのバッテリーに充電も電気。宇宙船では火が使えないため、あたたかいご飯を食べるにはお湯を沸かす他はなく、電気がいる。つまり電気は命を繋ぐものといっても過言ではない。電気はわたしたちを支えてくれるもの。しかしそのメンテナンスをするのはわたしたち。

 

不思議な共生関係である。

ジャーナリスト 高階美鈴


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