すべての準備をしたか。自分を疑う。

 

宇宙船に乗って気づいたこと。それは、人が鈍感であるであるということ。それからすぐに慢心してしまうこと。どんなに準備をしたと思っても抜けていることがある。気づかないことが多い。その中で、反省を重ねて気づかなかったことに気づけるようになるのである。

 

SIM#11のEVAは汚物処理タンクの水量チェック、その後ドローンのテスト飛行。これまでの経験を踏まえ、念入りな事前チェックが行われる。目的地までの経路の確認。作業の順序、カメラの撮影などの役割の確認。考えられえる範囲のことは全て行いEVAに挑む。この準備はあくまでも事前準備。宇宙に出たら何が起こるかわからない。これは不安を払拭し自信をつける作業でもあるのだ。

 

 

結果として、ミッションはうまくいく。しかし課題となったのはクルー間のコミュニケーション。事前にクルー、それから管制であるSHIPCOMの間でイメージの共有は行われていた。そのため作業自体はうまくいったものの、細かい指示や現場での確認の際のコミュニケーションが足りない。イメージと現実をフィットさせることは難しいことだ。最終的にその調整はクルー間での意思疎通がどれだけできるかにかかっている。

 

 

何かがうまくいけば何かがうまくいかない。日常の生活でも多くあるだろう。なぜうまくいかないのか突き詰めて生かすことができればそれは進歩という。クルー達は火星に近づくと同時に自らも歩みを進めている。

 

ジャーナリスト 高階美鈴

 


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