失敗から学ぶ

 

SIM#05EVA(船外活動)でのこと。電気系統の復旧・カメラ回収作業にて事前の情報と現場の状況で相違が見られる。更に無線はとぎれとぎれ。CAPCOM(地球側管制)との連絡も上手くとれず、SHIPCOM(宇宙船管制)はLOST(パニック状態)に陥ってしまう。EVA活動中において一番身の安全が危ないのは作業中のクルー。その彼らの身を守るためにSHIPCOMはどんなときでも冷静にならなければならない。結局EVAは事実確認が遅れたため中止。クルー達は撤退。

 

 なぜ失敗に終わったのか。それは事前準備の不足にあった。まず無線機について。EVAでは元々無線が通じないエリアがあり、無線が通じないことは起きる前提のことである。その確認を怠っていたこと。無線での基本的な英語のやりとりがうまくいかなかったこと。これらの事前の改善はEVAにおいて基本的なことなのである。

 

 SIM#05EVAの再トライがSIM#06で行われた。反省を生かし、どんなことができるのだろうか。

 

まずはEVAの状況を事前にどれだけ把握できるか。幸運にも昨日実際に現場を見たクルーがいる。それから写真もある。その資料からまず現在どんな状況なのかを把握する。見取り図も書いてもらった。どこに階段がありどこが危ないかなど確認。EVA直前のミーティングでより明確に。

 

 

無事にEVA再トライ完了。作業もSHIPCOMとクルーのやりとりも、よりスムーズになった。これこそ事前準備の結果である。安心した反面、痛感する。これが始まりなのだということを。基礎に立つことができた。まずはこの基礎を当たり前にこなす。これを継続するという難しさがあるのだ。

 

今回の火星までの道のり。クルー達は数々の困難に遭遇。その度に考える。そして学ぶ。次にくるべき難題を紐解くための糧を吸収して、吸収して、これからどんな進化を遂げるのか。

ジャーナリスト 高階美鈴

 


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