レスキュー訓練

  

いざという事態に備えてのレスキュー訓練。救急セットの使い方など緊急時の対処の仕方を学ぶ。宇宙での訓練とは、いったいどんなことが地球とちがうのだろう。

 

地球における非常時、例えば火災、震災といったものがある。しかしそれは地球の中で起きること。根本的に全く違う原因だ。それにこの宇宙船は空間も狭く、人の数も限られている。助けてくれるレスキュー隊がいない以上、自分たちのことは自分たちでやるしかない。

 

ではここで何ができるのか。この宇宙船にはセーフティーゾーンが存在する。万が一のときは皆がそこを目指す。さて、さっそく避難訓練といきたいところであるが厄介なことにクルーのシフトは三交代制。マニュアル作成にも避難経路が何パターンか存在する。加えてもしEVA中だった場合などイレギュラーなときにも落ち着いて対応しなければならない。

 

 

ある程度はシフト毎・時間帯でマニュアル化できる。とにかく基本となる避難の仕方を練習する。今回は16:00-24:00シフトの練習をした。寝ている2人はEVAエリアに移動。1人が宇宙服を着た後、着用をサポートしたもう一人が廊下のレスキューボールに入る。SHIPCOMの2人は宇宙服を持ちセーフティーゾーンに飛び込む。そこに用意されたレスキューボールに一人が入り、宇宙服を着たもう一人が廊下のレスキューボールを運ぶサポートに行き、最終的に4人がセーフティーゾーンに入るプランだ。

 

 

この訓練自体は結果的にうまくいった。全員がセーフティーゾーンに揃うのに緊急信号がでて10分以内だった。しかし実際行ってみて、レスキューボールの取り扱い。避難経路の障害物の有無など、確認しなければならないことはすぐ出てくる。こういうときに備え、施設内の把握は絶対条件であった。

 

初めての宇宙での避難訓練。酸素無しでは自由に動くことのできないわたしたち。しかし、普段と変わらずできることがあるとしたら応急処置の方法であろう。船内には救急セットが常備。けが人がでたら応急処置ができるように、そのための訓練も行った。この訓練は地球においても宇宙においてもやることは同じ。知っているか知っていないかで救助ができるかどうかが決まる。

 

 

今回わたしが入ったのは廊下に配置されたレスキューボール。中は真っ暗。一度入ったら無線しか連絡手段は無く、外の様子は全くわからない。宇宙服を来た仲間のクルーを信じて待つ。わたしの命はこのとき、宇宙服を着たクルーに預けられていた。次は本番で、わたしがその番かもしれない。

 

こんなにも本気で考え、行った訓練がこれまであっただろうか。

ジャーナリスト 高階美鈴


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