日本初の民間による模擬宇宙生活実験 「シラセ・エクスペディション」の概要を発表
2019年2月23日からの約2週間、旧南極観測船「SHIRASE」の船内で火星へ向かう宇宙船を想定した「模擬宇宙生活実験」(SHIRASE EXP.0)を行います。これは将来の有人火星探査へ向けた知見を得るとともに、閉鎖環境での実験結果を地球上での日常生活へ還元することを同時に目指すものです。
今回の実験をもとに19年にはクルーを広く公募し、20年までに選考を行います。実験は21年以降計4回(SHIRASE EXP.1~4)を予定しています。
【SHIRASE EXP.0(シラセエクスペディション・ゼロ)の概要】
SHIRASE = Simulation of Human Isolation Research for Antarctica-based Space Engineering
EXP. = Expedition(探検), Experiment(実験), Experience(経験)
SHIRASE5002船内に完全に外部と隔離された「宇宙船エリア」を設け、その中で世界各国から集まる6~7名程度のクルーが約2週間にわたり共同生活をし、同じく船内の「地球エリア」につくる「管制室」から送られる様々なミッションをこなします。宇宙船内だけでなく、模擬宇宙服を着用して行う船外活動(EVA)も実施予定です。宇宙船と管制室との間の交信は、実際の火星でも想定される「往復6分のタイムラグ」の中で行います。閉鎖された環境で、様々な制約を抱えながら過ごす24時間体制のミッションを通し、肉体や人間関係への影響を調べることで、往復3年掛かるとも言われる将来の有人火星探査に向けた知見を得ることを目指します。またそこで見えてきた結果を宇宙だけでなく、人間生活の様々な場面に活用する試みを同時に進めます。
コメントをお書きください